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 戒めを破りし日よりおとうとを打って樹液にまみれて暮らす
                      (題詠2014:52 戒)

      映画1

熊本に着く前日は大阪で映画を観ていた。ギロチン社を主題にした映画で、どうせ東京で観ても一泊、行きがけの駄賃ってこんなときにぴったりの言葉じゃないかしら。
あたしは伊藤野枝フリークで、この映画では当然大杉栄虐殺が描かれているし予告編の若い役者さんたちも気になるし、あがた森魚がやる甘粕にも興味がある。昔観た東映オールキャスト(なんと過激な時代だったことよ!)の『日本暗殺秘録』の古田大次郎をちょっと思い出したりして懐かしい。

大阪は高校生までいたけれど九条は初めて降りる駅で、アーケード街の裏の暗い通りにある映画館はいかにもこんなクセのある映画に相応しい佇まい、こういう場所があるから都会はやはり魅力的なのだと思う。
まあこの町でもご多分に洩れず古くからの映画館は姿を消して、唯一残ったこのシネ・ヌーヴォの灯を消すまいと地元の方々が応援しているのだと聞いた。

描かれる大正のテロリストたちは若くて未熟で焦燥感に駆られて、きっと実際もこんな風であっただろうと思わせる。ただ演じる男の子たちの身体はすんなりと伸びやかで美しく、全く労働の癖がなくって、顔を煤で汚しても芯から汚れたようでもなく、髪もシャンプが匂うようで大正臭くなかった。その点、娼婦役の女の子たちの方が時代を超えたリアリティのある身体、いやほんとはもっと胴長だったか。あがた森魚は甘粕より昭和天皇に似ていた。
狂言廻しというか時代を貫く”幽霊”役の性の匂いの薄い女性と、年を重ねた橘宗一(野枝たちと一緒に殺された少年)がいまいち消化不良で、けれどもそれがないとかなり平板になったことは判る。
ラスト近くのどんがしゃしたワルシャワ労働歌が懐かしいやら、切ないやら。
”幽霊”はあたしの中にもいるのだった。

映画より、九条の町のかつて遊郭があったあたりに迷い込んで入った饂飩屋さんの老女ふたりがとても、とても印象的だった。たちまち仕立て上げるおハナシの、けれども余りに手垢がついたようなのが口惜しい。

           m_fukumoto.jpg

熊本でも台風直撃の月曜日、事前の大騒ぎよりは逸れて風が強いだけだったがお城も公園もお休みになって、映画を一本、ちょうど観てみたかった「太秦ライムライト」。かつて日本の映画界を担ってきたちゃんばら映画の、斬られ役の方々に焦点を当てた、こちらはきっちりした商業映画で作りに隙はない。

主演の福本清三さんの折り目正しさが実に好ましく、きっとこれは素なんだろうと思う。
年令相応の(70歳を超えているはず)肋の浮いた痩せた身体にくっきりと皺の深い風貌なのに、素振りや殺陣に入ってからの姿勢の美しさや腕の筋肉、仰向けざまに斬られてから倒れるまでの身のこなしの強靭さに見入ってしまう。長年鍛えられてきた身体のなんと美しいこと。
ホテルに戻って戯れに真似てみたけれど無謀だった。あたしの身体の情けないこと(泣)。

その殺陣に刺激されたわけでもないが、午後風が治まってから宮本武蔵が籠って「五輪書」を書いたという霊厳洞へ。この岩窟がある金峰山は火山だそうで、もし活動を再開したら眼下の熊本市街は大変だろうと御嶽山のことなどちらと思い浮かべる。

五百羅漢を過ぎて(武蔵の時代にはなかった)登る霊厳洞は意外に広く、今は木の床が張ってあるのでなかなか居心地がいい。現在でもたまに籠るひとがいるそうで、明りさえ用意すれば山中のキャンプよりずっと快適な気がする。もちろんあたしにそんな気はございませんが。

下のお寺には武蔵の自画像や絵、巌流島で使ったという木刀などがあって(レプリカだったかも)、う〜む、やはり歴史とは書かれたものだけの集積でできているのかもしれない。

           IMG_3661.jpg
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Author:砂女
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