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 言の葉を憎みて遊(すさ)ぶをみならの
                虚実の実の黯き口腔

                  (題詠2014:13 実)

            a0960_005262.jpg

先日映画の上映待ちの時間がけっこう長くて久しぶりに本屋さんへ入った。一応県庁所在地のショッピングモール、大手の書店が入っていて、あてどなくうろうろして目につくものを捲るのも楽しい。今は手を出していない作家のものを何冊か買った。

 「百句燦々」塚本邦雄
 「幽界森娘異聞」笙野頼子

塚本のものは知らない俳人のがいくつもあって、何といっても塚本邦雄、その半ば強引な深読みと絢爛たる修辞でただ読むのも勿体ない。例によって一冊ノートを取りながらじわじわと、その合間に、こちらはまたいかにも笙野の、乱暴かつ混沌の森茉莉論、森茉莉は読んだことはないけれどきっと笙野本の方が面白いのではないか。あちらへ飛びこちらへ散る文章の、威勢がいいんだか心細いんだか、論じられる人物への愛と反発、実に読ませる。

偶然選んだ二冊、ふたりのもつ美意識や指向性は全く違うけれどどちらも書き手、読む行為に距離を取りつつ耽っていて面白い。俳句に限らず、言葉は読み手を持ってこそであり、それも単純な賞賛ばかりの読者ではなく、鋭い剣も持てば重たい棍棒も振り下ろしながら言葉を剥いていくその手つき、語られるのは対象とともに読み手=書き手そのものであと幾日かは楽しめそう。

特に「百句燦々」の、作品を句集に纏めないままの俳人、一冊だけの句集を出したてそれきりの普段目にできない人など、これでしか読めないものが多く俳句という長い伝統の数多の有名句、百句集の中へ己の美意識だけで切り込む塚本邦雄には今さらながら驚きと畏敬を感じる。

 いま/俺を/優しく殺す//雪の樅(若山幸央 「濁青」)

この雪の樅はあるいは塚本邦雄なのかもしれない。
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