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天袋に処分しきれぬ記憶ありをさなき檄とひと恋ひの骸

             旅

まだ夫と暮らし始める前、旅行ばかりしていたことがある。
小浜、博多、金沢、小笠原、広島、高岡、久留米、神戸、長崎。
行けば一週間ほども同じ宿に泊って、町の小路を歩き回ったり、気の向くままに郊外を散歩したり。旅行というより滞在しているという風で、観光スポットを巡るより見慣れない景色の中でただ風に吹かれているのが好きだった。住まいからちょっと出ただけなのに知らない町に着いてしまったような、心細い気分が好きだった。
旅行であるからには、いつかは戻らなくてはならないのだけど、来たところにずっと住みたいなんてちっとも思わなかったのだけど、帰り道はいつも不機嫌だった。

この頃、20年以上も暮らしているのにやはりこの町も滞在地のような気がしている。といって今は帰るところを持つわけでもない。
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砂女

Author:砂女
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