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道理説く男のあぎとに添えられし指 もの憂げに髭をまさぐる

              烏瓜 

いよいよ高齢者になればいくらか心構えもするのだろうが、まだちょっと手前の時期に不意に女がひとりで残れば、男がそうなるより諸事手続きが煩雑である。銀行・お役所関係のほとんどが夫名義、その変更や受け取りに思ってもないほどの時間がかかる。電話で済むことはひとつもなく、出向いて、説明して、説明されて、待たされて、結果何かが不足で、また出向く。
あちらはいくつもある案件のひとつ、今まで同じことを繰り返しているから慣れたものだが、こっちは一生の一大事、なにもかも初めてのこと、しかもまだまだ何かに無性に腹を立てている時、いちいち過敏に反応してしまう。
なにもかもが微妙な我家の場合は半年経っても終わらない手続きもある。

そもそも男の髭はどういう目論見あって生えるのか、特に顎から首へかけてのカーブに生える髭は剃り残されることだけが目的で生えるのではないか、と予々思っていた。車を運転しながらそれをまさぐるのが夫の癖で、女にはよくわからないけどどうしても気になるらしい。

面倒な手続き書類の作成中に担当者が夫と同じ仕草をする。長く見るのは不躾だと思いつつもついじっと見てしまう。担当者は視線に気づいて止めるのだが、暫く経つとまた指が。で、また見る、慌てて止める。懇切丁寧な説明中、あるいは書類の作成中、そろそろ指が動くはず、というあたりでそれが的中するので、肝心のことよりそちらの方に心が動き、あまりの的中率に笑い出せば、担当者、かなりむっとして聞いているんですか、とおっしゃる。
ごめんなさい、よく聞いていませんでした。もう一度お願いします。

かくしてなかなか全ては終わらない。

写真は歌にも記事にも関係ない本日の散歩の成果。
烏も食べない烏瓜だけど、男の髭と違って被写体にはなる。
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