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  杉林抜けて春子の秘密基地
  紅椿捨てていいのはふたりまで
  淑やかに身重告げくる紅椿
  春雷や善きひとはみな先をゆき
  まだすこし遊び足りない春灯
  蜂の巣の育ち早くて古団地

夫の隣で走っているとこの町にはあちこちに転んだ場所があって、お前さんの地図は罰点ばかり、そのうち真っ赤になるやもしれぬ、などと言われて、そりゃあ自爆もあるが相手が100%悪い事故もあってあたしばかりのせいではないと少し口惜しい思いで言い返したことがあった。
バイクは機械だからときにはままならいこともあるけれどついに自分の足で歩いているのに見事にひっくり返り、三月はお寺に縁のある月、七回忌のときの池端だったのはあんまり呑気にこの世に漂ってるので呆れた夫の悪戯だったかもしれず、どこかにいるらしき”おてんとさま”からのイエローカードだったのかもしれない。

骨は大丈夫だったが右手首の捻挫と打身とでしばらく不自由した。
もう二週間経つのにまだ右手は思い通りには動かせず、うんと若い頃足首を捻挫したことがあって痛いのを怺てお風呂に入ったら二倍にも膨れ上がり慌てて医者にかかった覚えはあって、それは三日ほどで治りました、ともう馴染みになった整形医に言ったらそんなわけはないでしょうと笑われた。でも記憶の中ではあっという間に普通の動きに戻ったのは間違いなく、舅に転ばないでねと何度も言っていたのにわが身だって充分に年老いていると再認識。

いつもの句会もお休みしてうだうだ家の周りを歩いているうちすっかり春で、残念ながら心の弾まない春になってしまった。
でもまたきっと転びそうな気がする。
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  錠剤は青立春の処方箋
  寒明くる流れて早き夜の雲
  颯爽と攫いにおいで春だもの
  はこべらとらをつけてみる風渡る
  春鴉ラ行の音がままならず
  海苔干すや永遠ひどく長過ぎて






やっと追いついたと思ったらまたさぼって季節に引き離された。この兎体質は一生改善されることはないのだ(断言)。

ご近所の臘梅の香りにぼおっと酔っていたら、いつの間にか時間は飛んで今は天神さまには梅が咲き始めている。けっこう散歩してあれこれ目にしていてもどうしても写生句はできないな。
最近同好の方とときどき家で句のことなど。
駄目な句、嫌いな句については説明できても、良い句は作れないし好きな句はなぜ好きなのかどうしてもうまく言えない。もどかしい日々。
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  落葉風むかしの君とすれ違ふ
  犬の名を猟夫やさしく呼びにけり
  野施行や仏と分ける般若湯
  冬ひよこ灯ともし頃だぴよと鳴け
  青空の焼ける匂や冬菫
  登るたび軋む階段冬終る






この町の少し奥にある鳴神山にはもう少し後の季節にナルカミスミレが咲く。ヒトツバエゾスミレの白いものをそう呼ぶそうで、登る度に白い菫はみつけるのだがどれもヒトツバエゾスミレではないようでまだそのナルカミスミレを見たことはない。
菫は変化が激しくて種類が多くスミレ属だけで400種、鳴神山だけではなく日本全国各地に独自に変異した固有種がたくさんあるそうだ。何度教えられても微細な違いで、もし見たとしてもそれが何スミレなのかきっとあたしには判断がつかないだろう。

花の名は覚えられなくても花は、特に春先の花は好き。
少し前に山で踏みつけられていたニオイスミレを庭に植えたのだけど、次の春に出始めたときにどうやら雑草と思って抜いてしまったらしく今はビオラだけが霜に耐えてちんまりと咲いている。
一面菫とか一面いぬふぐりとか一面スノードロップとかに庭を仕立てたいのだけど、花が終ってしまえば緑一色でつまらなくなるので小さな草花がちまちまといつも咲く雑然とした庭になってしまって、もう少し趣味のいい暮らし方をしたいと思うこともあるのだ、ごくたまに。
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  くるぶしの冷たい方は雪女
  冬空の電線下のドにしりうす
  葱汁の匂いそろそろ別れどき
  ゆつくりと狂ふ老嬢冬の梅
  雪安居生者はあたしひとりらし
  大寒の寝臭き男愛しめり




”ももの花”というクリームというか油というか、冬用のそんなものがあった。小さい頃は今のようにお湯がふんだんに使えないので水仕事の後は手にすり込んでそれでもたいていしもやけになりあかぎれになった。祖母がうるさいひとだったのでけっこう家事は手伝って、洗濯機がやって来た日も火鉢からストーブに変った日もうっすらと覚えている。炬燵もはじめは練炭じゃなかったっけ。

足の指がしもやけになって、これは家事のせいではなく不精してちょっとの移動でも歩かずにバイクに乗って用を済ますから。
そういや耐寒訓練というのがあって、小学生が団体で夜道を列をなして歩かされたりしたのだった。血行が良くなるとズックの先に鷹の爪をちり紙(まだティッシュはない)で包んで入れて送り出された。少しも楽しくなかったので発熱するのを願ったけどそんなに虚弱な子どもではなかった。あれはなんのための訓練だったのか。

中国のひと全員がティッシュを使うようになると地球の森林はすぐに滅びるなんて計算してふたりで恐ろしがったことがあるけれど、日本人だって恐ろしい事態に手を貸しているのは一緒なのにね。
ずいぶんと遠くへ来ちゃったような気もするしあっという間だった気もするし。室内は嘘のように暖かくなったけど外の寒さは年々辛くなる。
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  発句より紅が気になる初懐紙
  槌振るう顔白々と鏡割
  一月の水底光る川渉る
  風邪声で逃げちゃだめだと云はれても
  よく磨け凍湖に刺さる月ならば
  ドーナツの穴食べ尽くし春を待つ










連日寒し。
春来い!(呼ばなくてももうすぐ来るのだし既に立春は過ぎたのだが)

……俳句はまだ現在に追いつかない。
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  祝箸座敷童子の名も書いて
  一月のかたちあらはにけもの道
  四日とは廊下の先の薄埃
  六日なり誰かきんとん捨てており
  手毬唄すでに忘れて鈴が鳴る
  小寒や顔洗はずに猫の朝




子どもの頃、大晦日の夜は祖母は台所で忙しく父もそわそわとあちこち動き回ったりお節を詰めたり落ち着かない時間が過ぎて、さてお蕎麦の後紅白などが始まるとやおら硯箱を取り出して祝い箸にそれぞれの名前を書く用意。墨の匂いは好きだけどもとよりがさつな出来の子どもで丁寧に摺ることが苦手、同じように育ったはずの弟は根気がよくて、姉弟の性格や気質があんなに違うのはどういうわけなのか、父に誉められながら飽きずに摺ってとろりと濃くなったような墨をたっぷりと筆に含ませて父が書く。特に習ったわけでもないのだろうけど昔のひとは筆字が上手かった。
毎年袋に書かれるごく普通の自分の名前が、ごく普通だから嫌いというやな娘だった。
子どもがいたら案外きらきらネームをつけたかもしれないがそんな機会はないままで、もっともあたしの字じゃあまりお祝いの気分にはなれないけど。
(もう二月なのになんでそんなことを)
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  熊の掌の運命線を食しけり
  ポケットの雲の欠片も凍ててをり
  並列も直列もあり年詰まる
  眠れない太郎と次郎霜の夜
  もう既に深く酔ひをり年立ちぬ
  この距離を憶えておけと初寝覚






前夜の雨のせいなのか今朝は周りの山すべて、霜が降りて真っ白!
桐生は確かに寒いけれどそんな景色は今まで見たことがなかった。
ちょっと別世界で目覚めたような気分。
残月もまん丸で、これが紫色だったりしたらわくわくものだが普通に白い朝の月、残念。

(熊の掌は昨年忘年会で初めて食べた。でも俳句の世界では”掌”は”て”とは読まない)
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  暮れ易し探偵謎を見失ふ
  セロリ噛む苦悩の王の顔をして
  開けずに朽ちゆく花の寒さかな
  酔ひ醒めの電車ショールをかき合はせ
  枯原に犬を探しに行つたまま
  この生に異議はあれども冬銀河






まだ去年の暮の俳句。
題詠の2015も始まってるというのに。

非常に低調。こういう時って医者に行くとなんか病名を賜るんじゃないかしら。




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砂女

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日々是茫々


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